株式会社第一名誠 代表取締役 瀬尾国大
株式会社第一名誠 代表取締役 瀬尾国大
まずはじめに、御社がどんな会社なのかを教えてください。
今年ちょうど20周年なんですけど、20年前、今の社長でもある父が、当時勤めていた会社から独立したというカタチです。
はじめの10年以上は、荷物は食品オンリー。
まず、スーパーに行ってみたらわかると思うんですけど、ものすごい種類がありますよね、食品って。イコール、管理・業務もかなり細かくなる。
日付の管理や賞味期限管理もそうですし、品質もそう。本来中身を守るための外箱もいつの間にか、僕が入ってから数年後には、もう商品の一部として扱うようになって。
外箱に傷が入ったらすべてドライバーの責任、というような。湿気で潰れようが、ダメなものはダメだというようなところで非常に苦労してきました。
結果的に、労働時間も長く、休みも少なくなる。
僕自身も、入社してなんだかんだ18年、ほぼ開業当初からいるんですけど、10年以上いちドライバーでやってきた中で、食品に苦しめられたという想いは少なからずあったんですね。
それでいざこう、トラックを離れて、色々管理する立場になってからですね、少しずつ食品以外の物を、仕事で取り入れるようになって、
そういった流れや時代の背景から労働時間も緩和、食品以外も伸ばして、10台からはじまったトラックも今、36台まできた、というところです。
第一名誠さんは、トラック・マネジメント協会の会員第一号でもあり、協会設立の発起人のおひとりでもありますよね。
トラマネを立ち上げられることになった経緯を教えてください。
会社を良くしようと思って、当時から色々、理事長の和田先生にはお世話になっていたんですけど、なかなかこう社内だけでは、固定観念もあってですね、先へ進めなくて。
じゃあ他所の会社ではどうやっているのかなというところで、同業者が行くような会やイベントに、ちょくちょく参加するようになっていったんですけど、
なかなか自分と同じような意識、悩みや想いを共有できるような出会いが少なくて‥。
なんかそういう人、いないですか?そういう人たちが集まる場所ってないんですか?そういう話を和田先生としてたと思うんですが、「なかなか難しいかもね」と(笑)
ないなら自分たちでつくろうと。
少人数からでもつくろうかと、いうところでスタートした、っていうのがもともとですよね。
実際、トラマネ協会で活動をはじめて、良かったところ、良かった点などを聞かせてください。
自社で悩んでいることなんかを相談した時に、他の会員、会社さんがうまくやっていることを真似させてもらって、改善できた部分がものすごく多いです。そういったところが非常に良かったと思います。
例えば、教育。ドライバーへの教育。
今まで、なかなかこうドライバーを集めて教育するっていうのが、どうしても、時間は長いし休みは少ないというところから、できなかったんですけど、「ああ、そういうやり方すれば、時間がないなりにやっていけるんだなあ」っていうところで、真似させてもらえたっていう、これができたのは非常に良かったですね。
逆に、うまくいかなかったこと、苦労された点はありますか?
一番、悩まされるのは、管理者。ここが..未だに誰一人いない。
で、なんとかうまく、将来管理者になって欲しいな、っていう人たちを参加させたりとかして、期待をこめて数名連れてきたりとか、他の会社さんの管理者の方から、刺激を受けて「自分、これじゃいかんわ」とか思ってくれんかなあと、そういう想いを込めてやってたんですけど、みんなダメになって。
未だに全員で40数名もいながら、社長がいて僕がいて、以下従業員、みたいな感じなんですよね。
管理者を育てられていない、というのが今一番の悩みです。
どうしても、一人でも二人でも、期待する仕事10のうち、5〜6くらいはやってくれてるんじゃないかなって思ってしまうんですけど、
僕もちょっと考えを変えて、あなたに1〜3、あなたに4〜6、でもう最後の7〜10は自分でやるしかないな、みたいな風に今は考えを変えてるんですけど。
管理職の人を育てるという「人の問題」以外にも、今後の展望など、お考えのことはありますか?
当然、今の話が一番なんですけど、今、トラックが36台あって、普通で考えるとどこかのタイミングで50台の壁っていうのを突破したくなるところなんですよね。
でも、うちのスタイルとしては、会社をこれ以上大きくしたくないな、と。
その分、車輌に関してはほぼ完成したんですよ、自信を持って、他社には負けない。うん、絶対に負けない。
ってことはあとはドライバーをひとりひとり、他社には負けないドライバーを36人分、育てられたら‥。
これからの時代、それはもうめちゃくちゃ強い運送会社なるなあという、そういう少数精鋭の部隊をつくっていきたいなあというのがこれからの目標ですね。
そんな中、そういった目標を実現するために、トラマネの活動に求めることはなんですか?
やっぱり、トラマネ独自の教育資料。
今、業界全体としても、社員教育っていうのがかなり重要視されてきたんですけど、この3月からですか、より時間を長く教育しないといけなくなったんですね、新しく雇い入れた人に対しては特に。
年間計画があって、毎月コツコツやっていって、テストとか感想文書かせて、身についたかどうかの効果測定もやりなさいっていう。
でも、ほとんどの会社がやったことにしてる。ほとんどそうだと思うんです。
既存のドライバーにやる分には、特に時間の規定はないですけどね、独り立ちさせるまでには35時間は費やさないといけない。
どうせ費やすのなら、なんかただ、国交省から提供される資料を読むだけとかね、つまらないDVD見とけとか、そんな教育ではやっぱり..。
もっとこう内容を噛み砕いて、のめりこめるくらいの、面白いな!っていうような教材をつくっていきたい。
運送業界に入ったスタートの段階でね、まず、トラックドライバーってこんなに世の中に役に立って、重要な仕事なんだっていうところから、わかってもらいたいな。
と同時に、凶器というのか、一歩間違えばおそろしいことになる、っていうのもやっぱり知ってもらいたいですしね。
そこの教育の導入部分が、業界ではうまくいっていないんですよね。
うちの会社も12項目に沿った資料を独自でパワーポイントでつくりましたけど、まだまだ..眠たくなりそうなところもあるものですからね。
それを他のトラマネ会員さんたちの意見と合体させて、どんどん良くしていきたい。毎年良くなっていきますもんね、そうやって改善していくと。
で、やっぱ旬の話題をそこに入れていかないといけないから、去年の資料とまったく同じものを使うっていうのはたぶん無いはずなんです、普通に考えたら。
毎年いろんな事故が起こるんで。それとリンクさせていかないといけないと思います。
本日は貴重なお話をありがとうございました。最後に入会を検討されてみえる方に、メッセージをお願いします。
今まで、トラック・マネジメント協会への入会に、興味をもたれた方の話を何社か聞いてきたんですが、だいたい同じようなことをみなさんおっしゃるんですね。
「まだうちはそのレベルに達してない」「うちはまだまだその段階じゃない」って。
それを言ったら、みんな一緒なんですよね。はじめからできてるんだったら、入る必要のないものですし、いかにこう「良くしよう」「変えてやろう」という想いがあるかだけなので。
その強い想いがあれば、今できていなくても、まったく問題ないですし、みんなできていないところから少しづつ改善していっていますから。
まずは一度、そういった想いのある方に、チャレンジしてもらいたいなあ、そんなふうに思います。