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活動レポート

貸切バス転落事故から学ぶ(後編) 適性診断の新たな活用方法とは?

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※この投稿は、トラック・マネジメント協会 公式YouTubeチャンネル「トラマネラジオ」の内容を記事化したものです。

 トラマネラジオ第4回 貸切バス転落事故から学ぶ(後編)適性診断の新たな活用方法とは?

進 行:運送業専門コンサルタント 和田 康宏(以下、和田)

ゲスト:株式会社第一名誠 代表取締役 瀬尾 国大(以下、瀬尾)

 

和田)

第4回を始めたいと思います。

今回は、前回、第3回の続きですね。「軽井沢スキーツアーバス事故に学ぶ 新たな安全管理の方法」っていうことで、後編を話したいと思います。前編を聴いていない方はですね、第3回から聴いていただくと、流れが分かりやすいかと思いますので、ぜひご視聴ください。

 

で、ですね、今回のそのドライバーさん、亡くなってしまったんですけども、バスのドライバーさんがですね、ここでまた、前回は「横乗りの時間が短かった」っていうね、そういう大きな問題があったんですけども、今回については、もう一つ重大な問題がありまして。「運転適性診断」ですね。

多分一般の方だと、自動車学校入る時に、ゲームみたいにハンドルとブレーキとかね、アクセル踏んでやるような、そういう「適性診断」っていうのが運送業界ではあるんですけども。

新しく(運送会社に)入る場合には「初任診断」っていう、そういうね「適性診断」を受けなければならないって話になっているんですけども、この事故をやったバス会社は、残念ながらその「初任診断」を受けていなかった。

ただですね、その亡くなったドライバーさんが、この事故を起こしたバス会社に入る前の、直前に勤務していたバス会社ではですね、しっかり「初任診断」を受けていて、その初任診断の内容っていうのがですね、事故当初報道で公開されていたんですね。その内容を見てちょっと私はホントにびっくりしたんですね。

その「適性診断」は”9項目”、ドライバーさんの正確性とかね、運転にムラがないかとかっていう、そういう項目が”9項目”で診断する、そういう内容だったんですけども、”9項目”の内”3項目”がですね、”5段階で「1」”っていう一番低い評価だったっていう、そういう、なかなかないんですよね。最低点が3つも項目であるっていうのは、あまり出てこないなっていう感じはするんですけども。そういった適性診断の内容結果が出たドライバーさんなんだけれども、残念ながら、それすら初任診断を受けさせていなかったんで気づきもせずに、3回横乗りした後に、4回目で(独り立ちさせて運転を)やって、あの悲惨な事故が起きたっていうことで、ますますですね、これからこの「適性診断」、特に「初任診断」をですね、どうやって結果を生かしていくかっていうところが、非常にトラック運送会社にとっても重要になってくるのかな、と思います。

で、ここで瀬尾さんにまたお尋ねしたいんですが。瀬尾さんのところはどうですかね?「初任診断」は当然(会社に)入られた時に受けさせていると思うんですけども、一般的な他の一般診断って言われている「適性診断」ですね、これは頻度的にはどのくらいでっていうのは何か社内で決めてらっしゃることっていうのはあるんですか?

 

瀬尾)

そうですね。基本的には3年に一度・・・

 

和田)

はい。

 

瀬尾)

社内にある『NASVA NET』を使って受けさせています。

 

和田)

今、『NASVA NET』をもう導入されているんですね?

 

瀬尾)

はい、そうですね。

 

和田)

やっぱりどうですか?昔みたいにNASVAさんにわざわざドライバーさんが出向いて行くのに比べると、やっぱりいいもんですか?どうですか?

 

瀬尾)

そうですね。何年か前まで、導入するまでは、一定期間レンタルみたいなのができたんで、そこ(の期間)に集中して受けさせるっていうのがあったんですけど。今は「いつでもやれる」っていうところから、すごく便利です。

 

和田)

あれって結果はすぐ、終わったら出るんですか?

 

瀬尾)

「一般診断」に関しては、もうその場でプリントアウトされます。

 

和田)

あ~、やっぱりじゃあ、タイムリーっていうか、やっぱりいいですね。その場で分かるっていう話なんでね。

 

瀬尾)

はい、そうですね。

 

和田)

なるほど。じゃあ3年に1回くらい「一般診断」は受けてるっていう話、ですね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

で、「初任(診断)」の方はいかがですか?多分社長もご存知だと思いますけど、「初任診断」って、基本受けなきゃいけないんですけども、「自社に入る前3年以内に他所の運送会社さんで初任診断を受けていれば初任診断を省略できる」っていう特例があるじゃないですか。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

で、そういった場合、どうですか?「3年以内に他所で受けてた」という場合、第一名誠さんに入った時っていうのは、どういう取扱いをされてるんですか?

 

瀬尾)

本来、会社用と本人用と2部もらえるものですから、もしその本人用の控があるようでしたら、それをコピーさせていただいて活用する、と。

 

和田)

なるほど。

 

瀬尾)

で、そういったものがなく、持ってこられない場合は、これも社内の『NASVA NET』を使って、「一般診断」ではありますけど受けさせています。

 

和田)

やはりあれですか、(診断結果の)内容は知りたい、と。どういった内容か、っていうのは・・・

 

瀬尾)

そうですね、はい。そこは知っておきたいっていうのはあるんで、受けさせますね。

 

和田)

なるほど、なるほど。やっぱりそれは大事かもしれないですね。基本的な事かもしれないですね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

で、実際・・どうですか?瀬尾さんのところでは。これから「適性診断をどんなような活用をしているか」っていうのを色々お尋ねしたいんですけども、何かこうやっぱり「う~ん、なるほどな」っていう風に思った経験というのはございますか?今までのドライバーさんの中で。

 

瀬尾)

ほんと今回のお話で、軽井沢のバス事故があってから、ようやくウチも真剣に「適性診断を“読み返す”」ことをしておるんですけど。それ以降ですね、まず「社員証」っていうほどのものではないんですけど、朝の点呼時に必ず自分に「カード」を発行しておりまして、それを元に、そこに自分の評価の低い項目が2つぐらい記載して、いつでもそれを見て・・・

 

和田)

は~、なるほど、なるほど。

 

瀬尾)

それから出発できるようにしています。

 

和田)

そういう取り組みは、もうされているわけですよね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

なるほど、なるほど。なかなか面白い取り組みをやられていますね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

過去、どうですか?新人ドライバーさんで、どうでしょうね、こう・・新人ドライバーさんでも、既存でいるドライバーさんでもそうですけど、やっぱり事故が多いドライバーさんなんかの適性診断結果で、何か参考になる事っていうのはありましたか?

 

瀬尾)

毎年1回、もしくは2回ぐらいちょっとした事故をしてしまうドライバーの「適性診断」を見るとですね・・

 

和田)

はいはい。

 

瀬尾)

これはウチだけかもしれないですけど、大体「危険感受性の点数が低い」っていう・・・

 

和田)

お・お・お・お・お・・・

 

瀬尾)

・・・気がしますね、そういったドライバーは。

 

和田)

どれくらいですか?あれって100点満点でしたっけ?NASVAさんっていうのは。

 

瀬尾)

はい。100点満点ですね。で、大体30点~50点の間ぐらい、ですね。

 

和田)

なるほどね。やっぱり低めですか。

 

瀬尾)

低めですね。そこの項目が低いドライバーはやっぱり少し”要注意”かなっていう風に、私自身はそう感じておるんです。

 

和田)

色々やっぱり、“構内で擦った、ぶつけた”そういうのが多いのは「危険感受性が30点前後ぐらい」っていう形が

・・

 

瀬尾)

ええ、そうですね。

 

和田)

・・多いですかね?

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

なるほど、なるほど。これはどうですか?今後・・・さっき、社員証の裏に弱点の部分を1個か2個は記載して、見れるような形にするっていう話はされましたけども。

 

瀬尾)

はい。ええ。

 

和田)

実際なんていうんですかね。やっぱり、自分の適性診断で言われた「自分の運転の弱点」みたいなものをどうやって自覚させるかっていうのは、多分、今後いよいよ重要になってくるんじゃないかなって思うんですけど、何か取り組もうと思われていることって何かありますか?

 

瀬尾)

そうですね、今もう作成して、これから取り組もうと思っているんですけど。

 

和田)

はい。

 

瀬尾)

その評価の低い項目を対象に、1人10個くらい・・・

 

和田)

10個、はい。

 

瀬尾)

テストを作ってですね、やらせてみようかな、と。それも定期的に。

 

和田)

はあ~。何か簡単な短いキーワードみたいなのを当てる感じのテストですか?

 

瀬尾)

そうですね。“穴埋め”みたいな感じで、はい。

 

和田)

それはやっぱりあれですか?年間で何回か(テストを)やって、例えば、最初は何点だったのが、1年経ったらこういう風っていう、安全マネジメントで言うところの「PDCAサイクル」みたいな感じで回して行かれる、そういう感じのイメージですかね?

 

瀬尾)

そうですね。3回から4回ぐらいやったら、さすがにみんな・・・

 

和田)

(笑)覚えるかもしれない・・・

 

瀬尾)

覚えられるんじゃないかな、と思って。自分の弱点が。

 

和田)

やはりあれですね。覚えたから事故が減るかどうかはまだやってみないと分からないにしても、まず自分の弱点が全く分かっていないっていう所は、結構直した方がいいのかなっていう感じはしますよね。やっぱりね。

 

瀬尾)

そうですね。その指摘された所にふとその場面に直面した時に、頭をよぎってもらえたらいいなっと思って。それだけでも、もう大分効果があるんじゃないかなっていう風に思います。

 

和田)

たしかに統計で出しているテストなので、当たりはずれっていうかね、「点数が高くてもあんまり合ってないな」っていうドライバーさんもいるかもしれないですけど、やはり確率の上で、7割8割は当たっているところがあるのかなっていう感じはしますのでね。何とか活用できる方法を探っていくのがいいなっていう風な感じには思いますけどね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

特にホントに今回の軽井沢のスキーツアーバスの事故でも、やはり結局『事故調査委員会』っていうところが調査に入ったりした時もですね、「適性診断の内容は受けてるのか受けてないのか」「実際どういう(診断)内容だったのか」「それに対して会社はどういう風に取り組んでいったのか」っていうのは、やっぱりかなり厳しく追及されるっていう形がね、今の流れにこれからなって行きそうなので。

(苦笑)トラック運送業界もどちらかと言えば、「初任診断」に関して言えば「受けないと行政処分を食らうから」って、嫌々っていうんですかね、そういう感じで受けるのと、あと「一般診断」に関して言えば「Gマークで点数が取れる」っていう、そういうね(苦笑)、すごく分かりやすいところだけで受けなきゃいけないかなっていう形には、やっぱりなっているとは思うんですけど。

今回スキーツアーバスでこういう事が起きたっていうことなんで、やはりどこまで「適性診断」を”深掘り”して、日常使いっていうかね、事故防止のために使ってくかっていうか、できるかっていうのは、これもまた前回もお話ししたように、事故を起こした時に、第三者が見た時に、「この運送会社はやれるべきことはやったのかどうか」っていうね、そういう「誠実性のある安全管理をやったかどうか」っていうところでは、この「適性診断の活用」っていうのは、これからすごく新しい安全管理の方法なのかなっていう感じがね、するんじゃないかな、と私は思いました。

瀬尾さん、今日もありがとうございました。

 

瀬尾)ありがとうございました。

 

 

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