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活動レポート

ドライバーは目が命 国交省 視野障害対策マニュアルについて

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※この投稿は、トラック・マネジメント協会 公式YouTubeチャンネル「トラマネラジオ」の内容を記事化したものです。

トラマネラジオ第12回 ドライバーは目が命 国交省 視野障害対策マニュアルについて

進 行:運送業専門コンサルタント 和田 康宏(以下、和田)

ゲスト:株式会社第一名誠 代表取締役 瀬尾 国大(以下、瀬尾)

 

和田)

第12回。「ドライバーは目が命」という話を今日はしたいと思います。

ドライバーの「視野障害による事故」が今問題になっているみたいなので、その話についてしていきたいと思います。

「目」って一言で言われても、「視力検査」とかせいぜい「動体視力のチェック」とか、そういったのはピンとくるんですけども。

瀬尾さんどうですか?「視野障害」っていうのって、あんまり今まで気にしたことがないとは思うんですけど。どうですか?ピンと来ますか?何か。イメージ的には。

 

瀬尾)

いやホント、今初めて聞いたわけではないですけど、あまり今まで意識したことはなかったですね。

 

和田)

そうですね。せいぜい「白内障」ぐらいですかね。ちょっと聞くのは。

 

瀬尾)

そうですね。はい。

 

和田)

目が白くなって、お歳をとられて・・「お歳」っていっても40代後半ぐらいからなることが多いらしいですけどね。「白内障になって10分くらいの手術で治したよ」みたいな話は聞かれた(ことがある)と思うんですけど。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

今回の「視野障害」っていうのは「目の見える範囲が狭くなったり」ですね「一部が欠けて見える」液晶テレビの液晶がどこか切れたような感じですかね、「どこか一部が欠けてしまう」という、そういう目の障害のことを「視野障害」という風に言うらしいんですけども。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

その辺の話をしていきたいなという風に思ってます。

これは国交省が今、マニュアルをですね、「視野障害について色々対策を立てないといけないですよ」っていう(内容の)ものが、この2022年4月に出されたものですから、その内容に基づいて、今日はお話を進めていけたらいいかなって思っているんですけども。

「緑内障」とか「網膜色素変性症」とか、こういうのが「主な視野障害」だっていう風にそのマニュアルでは書かれている訳なんですよね。

実際、「緑内障」も確かに私なんかでも、義母がですね緑内障で、大体どんな症状になるかっていうのは少しイメージがついているんですけども、かなりですね左右の視界が狭くなっているんですけど、本人はどうも医者に行って言われるまで気づかないっていう、そういう“怖さ”があるみたいですね。

だから、これをドライバーさんに置き換えてみると、今まで左右の視界がこのくらいだと思っていたのが徐々にゆっくりゆっくり狭くなってきてるものですから、例えば右側から自転車が交差点を渡ってくるのに、若い時はもっと早くから気づけたのが、緑内障が気づかないうちに進行していると、“いきなり出てきた”ような感じ、そういう感じの兆候がみられるみたいですね。

だから、ドライバーさんも「(病気に)気づいていない」。

そもそもドライバーさんが“眼科に行く”っていうのもそんなにないですよね?どうですか?言われますか?

 

瀬尾)

ないですね

 

和田)

「今日眼科に行きますから(休みます/遅刻します/早退します)」とかって(笑)

 

瀬尾)

う~ん、たまには聞きますけど、歯医者とかに比べたらかなり少ないですよね。

 

和田)

(笑)近眼とかね、そういう目が元々の(疾患のある)人は行くかもしれないですけど、普通そうじゃない。目の視力が1.5とかある人は、ほとんどお世話にならないところが「眼科」なのかなっていう感じがしますけど。

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

だから尚更、進行してからやっと(病気に)気づくっていう形みたいなんですね。

この病気の問題点っていうのは何かっていうと、「気づく」ぐらいの時ではかなり進行が進んじゃってるっていうところらしいですね。

 

瀬尾)

う~ん。

 

和田)

癌でもそうですけど、何でも初期の段階で気づけばいろんな治療が出来て、癌であれば“癌を取り除くこと”で健康体を保てるっていう形があるんでしょうけど、この「緑内障」とかさっきの「網膜色素変性症」っていうのは、基本的には「治らない病気」なんですよね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

なので、「(病状の)進行を遅らせること」しか今の医学ではまだできないっていう話みたいですので。だから、本人が気づいてからだと相当中程度からかなり進んでしまった状態、(その段階)でしか気づかないっていう事なので、やはりここを、どうでしょう。(会社かドライバーさんか)どちらが負担するかっていうのもあるんでしょうけども、運送事業者さんとしては、この「視野障害」っていうのを早く気付くような形で(視野障害の)検査を進めて行くのが、やっぱり一番良いのかなっていう感じがしますけどね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

一番気になるのは「お金」だとは思いますけども(笑)。

 

瀬尾)

ええ。

 

和田)

「脳ドック」とか「心臓ドック」って色々今言われてるものは、トラック協会さんから助成金が出ても、割合、今(検査の)値段自体が上がっているものですから、(ドライバー)全員が受けるっていうと(運送事業者さんに)負担がかかると思いますけど。

どうやら私が色々お客さんに聞いていると、この「視野障害の検査」っていうのは「眼底検査」っていうのと「眼圧検査」っていう、この二つをやれば大体わかるらしいんですけど、何百円~数千円かそのくらいで(検査が)出来てしまうっていうことみたい・・・ですね。

だから、そういう意味では年一回の健康診断の時にセットで、健診機関がそういう(検査)機械があればの話、大前提はそこなんですけども、(健康診断と)一緒に(検査を)やって、毎年、やっぱり、せめて一年に一回はチェックしていくっていう形でやっていかれると、そういう「視野障害」に早く気付いて、(病気の進行を)遅らせることが出来るようになるのかなっていう感じがするんですけども。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

瀬尾さんの所でも、まだ「眼圧(検査)」「眼底(検査)」まではやっていないですかね?どうですか?

 

瀬尾)

・・・そうですね。昨年までは、ずっと「健診バス」で会社で(健康診断を)やっていたんですけど。

 

和田)

よくありますね。あの「巡回バス」っていうものですね、はい。

 

瀬尾)

一部の従業員から、やっぱりもうちょっと・・・

 

和田)

(笑)

 

瀬尾)

(健診)バスが悪いわけではないけど、「もう少ししっかりやりたい」と。「一年に一回、(しっかりした内容の)検査を(受けさせてほしい)。」

 

和田)

あ~・・・

 

瀬尾)

・・・といった要望が昨年あったものですから、今年からそういった(会社の健康診断)を受け入れてくれるクリニックに変更したんで。

 

和田)

なるほど。

 

瀬尾)

実際どこまで検査をして頂けるのかっていうのは、これから・・かなっていう感じですね。

 

和田)

そうですね。でもバスは間違いなく必要最低限のものしか載せてこないので。

 

瀬尾)

ええ。

 

和田)

「眼底(検査)・眼圧(検査)」はほぼ無理だと思いますけど。

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

今の社長がおっしゃられたように、そういうしっかりした健診センターであれば、間違いなく「眼圧(検査)・眼底(検査)の検査機械」はほぼあるんじゃないのかなって感じがするんですけどね。

 

瀬尾)

(検査)機械は置いてあるでしょうね。

 

和田)

ね。だから後は金額を「オプションでやれますか?」みたいな感じになってくると思うんですけども。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

僕のお客さんでも、血圧が高い場合に「眼底(検査)・眼圧(検査)やってく?」とかって(医師に)気軽に言われて。「いくら?」って聞いたら「何百円」って言うんで「じゃあ(検査を)やってく!」ってことでやってきたっていう話を僕も最近よく聞いたので。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

意外と血圧高い人は(眼底・眼圧を)診た方がいい。あと糖尿病?糖尿病の人もやっぱり「眼底・眼圧検査」をしないと視力を失っちゃうものですから、多分(検査の機械は)置いてあるんじゃないのかなって、(検査の)値段もそんなに高くないんだろうなっていう感じがしますけどね。

 

瀬尾)

う~ん。

 

和田)

参考までに。この国交省が出したマニュアルの中にチェックリストがあるので、社長もついでに今、聞いて頂いてチェックして頂ければいいんですけど。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

5つありますね。

まず「強度の近視である」「暗いところでは見えづらい」「家族に緑内障の人がいる」「家族に網膜色素変性症の人がいる」「糖尿病と診断された」。この5つで、1つでも当てはまると「視野障害になりやすい人ですよ」っていう形なので。

こういったのでドライバーさんに(視野障害の)チェックするといいかもしれないですね。ドライバーさんの健康教育をやる時にですね「これちょっとチェックしてみて」みたいな感じでやると、興味は持つでしょうね。視野が狭くなって嬉しい人は誰もいないと思いますし(苦笑)。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

(視野障害があると)生活していく上で不具合が生じてくるのかなっていう感じがしますね。

こことは別で、もう一つあるんですよ、実は。こっちが一番僕は注目しているんですけど。4項目。この中で2項目以上該当すると「視野障害になりやすい人ですよ」っていうチェックリストなんですけど。

1つ目。「40歳以上である」。これは僕も当てはまります(笑)。50歳ですから。次「喫煙」ですね。

 

瀬尾)

喫煙・・・

 

和田)

「喫煙している」。ドライバーさん喫煙率高いですから。

 

瀬尾)

高いですね。う~ん

 

和田)

これで2つ当てはまっちゃってるんじゃないかなっていう感じがしますけど

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

3つ目は「高血圧」。

 

瀬尾)

ほお~~。

 

和田)

これもドライバーさん多いですよね。

 

瀬尾)

多いですね。

 

和田)

最後「脂質異常」。これもまた「中性脂肪」も含めてですから。

 

瀬尾)

う~ん。

 

和田)

平均年齢50歳と言われているトラックドライバーさんでも圧倒的に「脂質異常」っていうのは多いと思うんで。おそらくひょっとすると4つ全部クリアしてる人(苦笑)、「クリア」って言ったら失礼ですけど、該当している人がいるんじゃないのかなっていう感じがしますよね。

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

だから考えてみると、ドライバーさんに結構縁があるんじゃないのかな、「視野障害」っていうのは気を付けなければいけないものの一つなのかなっていう感じがしますね。そういうのも、健康教育をしていく上でも、やっぱり「視野が狭くなってしまう」っていうのは、ホントに「ドライバー寿命」っていうんですか?「運転する寿命」を自分で短くしているようなものじゃないかっていう話で。

やっぱり、この辺の「喫煙」もそうですし、「高血圧」と「脂質異常」に関しては「食生活」が中心だと思うんで、やっぱりすごく重要ですね。目が、さすがに視野が狭くなったら、ちょっと運転は・・・危ないかなっていう感じはしますんでね。

 

瀬尾)

危ないですね。

 

和田)

そういった所も、やっぱりドライバーさんに言って、この辺はしっかり気を付けなきゃいけないぞ、みたいなことはやって行かれるといいのかなっていう感じがしましたね、これを見ていて。

今までやっていた「心臓疾患」とか「脳疾患」と似ていますよね。「血圧が高い」とか「脂質異常」みたいなこととかっていうのは、みんな全ての病気、「視野障害」でもそれが該当してくるのかっていうのが改めて分かったので、これはやっぱり運送業界としても早めに「眼底・眼圧検査」っていうのをやって、(病気の)早期発見出来るような形にしていければいいのかなって思いますけどね。

瀬尾さんのところもどうですか?何とか健診センターに聞いてみて、次回くらいからとかっていう形ですかね?

 

瀬尾)

そうですね。まず(検査)機械はあると思うんで・・・

 

和田)

絶対あると思いますよ。

 

瀬尾)

もし今回の(健診の)項目になかったら、次回からは(検査の追加を)お願いしてみようかな、と思います。

 

和田)

そうですよね。ちなみにデータが出て(ますが)、緑内障になる人の割合っていうのは、「20人に1人」。だから中小企業さんでも2人くらいはいそうですよね。

 

瀬尾)

そうですね。1人2人はいそうですよね。

 

和田)

だから、その1人2人が「視野が狭くて人をはねちゃった。横断歩道を出てくるのを気づくのが遅れて」っていう話になったら、それは会社としてはなかなかとんでもない事態になってくるんで。

 

瀬尾)

う~ん。

 

和田)

やっぱり普段から「危ない。危険だぞ」とか、今、多分ドラレコとかで見てらっしゃると思うんですけど、ドライバーさんに聞いた時に「急に出てきた」とかって発言が多いドライバーさんは・・・

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

ちょっとやっぱりそっち(疾患)も意識がないといけないですね。ただ単に「横着な運転をしている」っていう感覚だけではなくて・・・

 

瀬尾)

う~ん。

 

和田)

「視野障害」っていう事もひょっとしたら(あるかもしれない)。いつもこの人は「突然出てきた」とかって言うなっていう話になってきたら、「視野障害」っていう所も選択肢に入れておかないと、指導しても病気だったら治らない、そういう事故は減らないっていうことになってきますんでね。

その辺も今回の国交省のマニュアルっていうのはすごく「示唆に富む」っていうか、今後の安全管理に参考になるように思いましたけどね。

ぜひ結果が知りたいですね、また。このYouTubeの中でいいと思うんですけど、「眼底検査やったら意外と2~3人(該当者が)いたよ」みたいな感じとかね(笑)

 

瀬尾)

そうですね。検査(項目)の中に入ったらまた報告できるんですけど。

 

和田)

そうですね。僕のお客さんも実際この間、老舗の運送会社さんは意外と「眼底・眼圧検査」を普通にやっているところがあるんですよ。

 

瀬尾)

へえ~。

 

和田)

「やってるんですか?」って話で、びっくりして。総務の方がいたんで調べてもらったら、結局ドライバーさんが80人くらいいたんですけど、2人「E判定」になってるんですよ。「すぐ(病院に)行け!」って話なんだけど、総務の人もやっぱりそこは「鈍感」っていうのか、あまり重要視していなくて、そのまま放置しているっていう話だったので、「もったいないね」っていうことで。「せっかく(検査を)やってて、異常事態も分かっているのに、そのまま視野が狭い状態で運転しているのか」ってことになってきたもんですから。

やはりまず検査をして(疾患に)気づいて、ドライバーさんに(病状を)納得してもらって、そういう(疾患に対する)治療を早く、あれは点眼ですけどね、「緑内障」は目薬をさしていくっていうことになってきますけど、そういうの(治療)をやって事故を減らすっていうのも、何でもやらないといけないことが運送会社は多いんで大変ですけど、「眼底検査」は頑張ってやっていただきたいなっていう風に思いましたけどね。

 今日は「ドライバーは目が命」っていうことで「視野障害」の話をさせていただきました。瀬尾さん今日はありがとうございました。

 

瀬尾)

ありがとうございました。

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