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トラマネラジオ

活動レポート

知床観光船事故に学ぶ トラック運送会社の安全管理とは

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※この投稿は、トラック・マネジメント協会 公式YouTubeチャンネル「トラマネラジオ」の内容を記事化したものです。

トラマネラジオ第15回 知床観光船事故に学ぶ トラック運送会社の安全管理とは

進 行:運送業専門コンサルタント 和田 康宏(以下、和田)

ゲスト:株式会社第一名誠 代表取締役 瀬尾 国大(以下、瀬尾)

 

和田)

「知床観光船事故から学ぶ トラック運送会社の安全管理とは」という話で今日はしたいと思います。

瀬尾さん、今日はよろしくお願いします。

 

瀬尾)

お願い致します。

 

和田)

まだ捜索中ですので確定していないんですけど、死者14名・行方不明者12名となったとても悲惨な事故だったわけなんですけど。これは陸運(事業)のトラック(事故)とは違って「海の事故」ではあるんですけど、やはり我々としては他部門(業種)ではあっても「学べるところは学ぶ」という姿勢はやっぱり大事です。

実際、私のお客さんもこの間事故があって、運輸局の監査が入った時にですね、やはりこの話が出るわけです。「社長さんのところ・・・今回の知床の観光船の事故はご存知ですか?」と。「あれについてトラックドライバーさんに対して教育出来ていますか?」ということをやっぱり監査の時でも聞かれるんですよね。

やはり普段から他のトラック・バス・タクシー、あと船の方も含めてなんですけど、「トラック運送(事業)の安全管理に(落とし込んで)学べるかどうかっていう姿勢があるかどうか」っていうところも、監査に入った時の監査官っていうのは、「この運送会社がちゃんと自分たち(運輸局)が行政処分をしなくても、自分たち(事業者自身)で原因を見つけて再発防止策を立てられるような力のある会社かどうか」っていうところも監査をやっていく上で色々と考えながらやっているのかなっていうのが伝わったものですから、今回この話を少ししてみたいなと思っています。

これどうですかね?瀬尾さん。実際この遊覧船の事故なんですけど、色々マスコミでは言われてますけども、やっぱり直接的な原因っていうのは何だったんでしょうね?これは。

 

瀬尾)

そうですね。やっぱり「安全管理体制が全く出来ていなかった」っていうのが、一番の原因だったんじゃないかなっていう風に思います。

 

和田)

そうですよね。事故の当日は割合気象状況がかなり厳しい状況だったっていうのを報道されていまして・・・

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

同業他社が(海に)出なかったっていうのが報道では出てましたよね?

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

やっぱりその辺のところの、トラックでもありますけど、「運行の可否の決定」「”運行をしていいかどうかのジャッジ”がひょっとしたら間違っていたんじゃないのか?」という、ここのところが直接的な原因なのかなっていう風には思われるわけなんですけど。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

実際どうですか?ちょっと前に「異常気象時の目安」って出てましたよね?表になってね?

 

瀬尾)

そうですね。はい。

 

和田)

あの辺どうですか?「“降雨時 1時間何ミリ以上”とか“暴風時 秒速何メートル”とかの場合に運行すると危ないよ~」みたいなことで、表になって出てたのがあると思うんですけど、この辺は瀬尾さんはどうですか?何か今、運用されてるっていうか、ドライバーさんに教育とかで使ったりとかって、今どんなような状況ですかね?

 

瀬尾)

そうですね。この資料を元にドライバーには簡単に説明してあってですね。

 

和田)

はい。

 

瀬尾)

管理者にはもう少し詳しく、逆に指示を出す方なもんですからね、指導してあります。

 

和田)

なるほど。

 

瀬尾)

実際に、数年前に台風が翌朝名古屋に直撃するよっていう時に、(その)前日夕方に荷主さんの方に「明日の運行を全て止めさせてほしい」っていうこと(お願い)をしたことがあります。

 

和田)

は~、やっぱり(目安を)使ってはいるわけですね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

ちょっと私が気になるのは、実際「荷主さんは神様だ」と思うんで、(運行を止めるのを)嫌がる方もひょっとしたらいるんじゃないかと想像できるんですけど。どうですかね?実際どうでしたか?

 

瀬尾)

そうですね。そこは、数件の荷主さんに非常に苦労しまして。

 

和田)

は~。

 

瀬尾)

まずこの事を全然知らない荷主さんが多数いたっていうのと・・・

 

和田)

そういう「“運行の可否の目安がある”という事自体を知らない」っていうことですね。

なるほど。

 

瀬尾)

はい。(運行可否の目安があることは)十分理解はできるけど、「ウチがお願いする仕事の内でも、”この仕事””この荷物だけ”は届けてほしい」とか。「いや運行できません!」って言っているんですけど、「この荷物だけ(どうにか)・・・」とか、と言うところがやっぱり多々あってですね・・・

 

和田)

あ~。

 

瀬尾)

そこに非常に困ってしまいましたね。

 

和田)

一運送事業者の立場としては、なかなか(荷主に)強いことを言いにくかったというか・・・

 

瀬尾)

そうですね。はい。「(運行を)止めてもいいけど、この荷物だけは」(と言われても)、結局1台でも動かしたら一緒になってしまうんで。

 

和田)

一緒ですね(苦笑)

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

結局それで、もしトラックが横転するだとか・・・

 

瀬尾)

ええ。

 

和田)

横転するだけでも大変なことですけど、ドライバーさんに何かあったりとか、他の人に命にかかわるようなことが起きたりとか、それは大問題になってくるわけなんで・・・

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

大変ですよね、たしかにその辺は。

 

瀬尾)

そうですね。もう後1点困ってしまったのが(苦笑)、「他の運送会社からは何も言ってこないのに・・・

 

和田)

(笑)

 

瀬尾)

・・・お宅だけ?」っていうのが、やっぱりあってですね・・・

 

和田)

(笑)あるあるですね、それはね。

 

瀬尾)

ええ。

 

和田)

それはあれですね、「労働時間」と一緒ですね。

 

瀬尾)

(ため息)

 

和田)

「他(の事業者)は16時間超えてもやってくれるところがあるのに、何でお宅は13時間しかやらないの?」(というのと)何か似てません(苦笑)?

 

瀬尾)

(苦笑)そうですね。う~ん。

 

和田)

悔しいというか悲しいというかね、”業界のレベルの低さ”を露呈してしまっている部分はあるんでしょうけど。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

やっぱりもうちょっとこれは事業者から荷主さんには当然お願いするけど、やはり「国」という・・・

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

しっかりした強力な国家権力を持ったところが、荷主さんに対してしっかり周知していく作業をやって頂かないと(理解を得るのは)難しいってことですかね?

 

瀬尾)

難しいですね。はい。そう思います。

 

和田)

実際「(荷主が事業者に対して)強要」すれば、荷主さんに対して「荷主勧告」とかね、「警告処分」とか、酷い時だと「社名公表」ってということもやれないことはない話になっているわけなんですけど、それ(その処分)自身は荷主さんが(「運行の可否の目安」の存在を)知らなかったら元も子もないわけですからね。たしかにそこ(知識の有無)はあると思います。

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

そこは「労働時間」と並んで、やっぱりまだまだ国からだいぶ荷主さんに(対して)やって頂きたい事が多いっていうことですね、そうすると。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

なかなかたしかにそこはあると思います。

後、ドライバーさんは実際(異常気象時の運行の可否の目安について)細かいことは知っていますか?

実際、瀬尾さんがさっき仰られたように、管理者、配車マンとか運行管理者の方が事務所で「風速」とか「降雨」とか見るんでしょうけど、現場に行ってるのはやっぱりドライバーさんですから、現場でいきなり大雨になったりした時に、ドライバーさんが(運行の可否を単独で)ジャッジしないといけない時っていうのは多分出てくるんじゃないかなっていう感じがするんですよね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

そういう場合に、そういう「降雨量を見るようなサイト」とか「風の強さを見るようなサイト」っていうのが今いっぱいあると思うんですけど、その辺は何かドライバーさんのスマホとか何かでパッと(すぐに情報サイトを見られるような)見方みたいなのを教育するっていうところはどこまで?まだこれからなんですかね?

 

瀬尾)

そこに関してはまだまだこれからになってくるんですけど、「風」に関してはある程度情報が分かるんで、会社の方から指示できるんですけど、最近の「雨」に関してはホントに局地的過ぎて・・・

 

和田)

そうです、そうです。

 

瀬尾)

ちょっと会社の方でもそれを把握するのは非常に難しくてですね。だから各ドライバーに任せないといけない部分もあるんで、「“激しい雨”の時は直ちに安全なところに止まるように」っていう事だけは伝えてあります。

 

和田)

そうですね。「線状降水帯」って、名古屋にしても「区」ごとで変わってますもんね。「区」(が違うだけ)で全然(雨が)パって止んだりするんで。やはり運転してるドライバーさんが危険だと思った時は即判断して頂かないと、視界が全然見えないですもんね、線状降水帯になってくると。

 

瀬尾)

ええ、そうですね。

 

和田)

その辺のところはこれから特に、今、雨の季節ですけど、雨(梅雨)じゃない、6月じゃなくても今、日本は雨の量って局地的にすごく降りますからね。そこ(ドライバーさんの即時の判断)は大事かなっていう感じがします。

もう一つ今回の遊覧船の事故で問題になっているのは、2022年4月にこの事故があったんですけど、2021年にも2件程この事業者さんが事故をやっていたみたいで、「そこ(その2021年の事故時)で“監査”が入っていたんだけどもこんな事態になってしまった」っていうところが、国土交通省の方の(監査指導の)あり方もだいぶ叩かれているっていうところが今あるみたいなんですよね。

色々言い分が国の方にもあるんじゃないかな、というようには思うんですけど、今、言われているのが、「今後の強化策」として。やっぱり「監査を厳しくしよう」っていう話に当然なっているんですね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

監査を厳しくするんですけど、監査をするためには国交省の方の監査官の人を増やさないといけないのが基本的にはあるんですが、ご存知のようにこれだけコロナ禍であり、コロナ禍が終わっても景気がまだそこまで回復しないっていうことで、そんな簡単に税収が増えないことから、人を増やすことがなかなか国もできないはずなので、今回出されたのが、例のZoomみたいな「リモート監査」「抜き打ちのリモート監査」っていうのをやろうっていう案が今、結構「有力な案」になっているっていう話なんですよね。「『国関係の監査』では導入しよう」っていう話になってきているわけですね。

これはおそらくですね、トラック事業者は事業者数6万社じゃないですか。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

それを今後、例えば「働き方改革」で2年後、労働時間が短くなった時に、迅速にチェックしていかないといけない中で、人(監査官)が(各事業者を)訪問していたら間違いなく間に合わないっていう話になってくると思うんですよね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

そういう時に「リモート」で、たった15分でもいいですよね、30分でもいいですよね。

 

瀬尾)

う~ん。

 

和田)

やっぱり彼らはプロですから、ちょっとした質問を社長とか運行管理者にリモートで投げかけて、どういう「言葉」とか「反応」が返ってくるか見れば、多分彼らの手元で「×」を打ったりしてますよね。一度目は流します。「あ~、そうですか」っていう感じになるんでしょうけど、多分「×」を打って、「ここは訪問しよう」「ここは優先順位1番のところ」「ここは次に訪問するところ」みたいな形で、“アンケート”みたいな感じですかね。具体的な資料はZoomではそこまで要求はできないかもしれないですけど、やはり「あ~、おかしいな」っていうのは分かると思うんですよね、(回答を)聞けば。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

「何かこういうことやっていますか?」って言われて「ポカ~ン」としていれば、「あ、何にもやっていないな」っていうところは分かるでしょうし。

その辺のところも多分「Zoom 監査」みたいなところは、おそらく3年後とか5年後、「この遊覧船の監査が上手く行った」っていう事例が出てこれば、次は「トラック・バス・タクシーもそういうの(Zoom監査)でやっていかないと追いつかないよね」っていう話になるのはほぼ間違いないですので、そういう意味では、今回のこの遊覧船の事故っていうのは、“監査のあり方自体”をかなり変えてくるんじゃないのかな、そちらの方が私は気にはなりましたけどね。

そういう意味では、いきなり「抜き打ち監査」が「リモート」で来た時に、社長にしろ所長さんにしろ運行管理者さんが、普段から安全管理の勉強をしていれば、別に何も怖くないです。サッと答えられます。「あ、それは先月、こういう法律の改正があって、ウチはこういうことをやっています」みたいな話を言えれば、彼らは、「ここはそんなにすぐに監査に入らなくてもいいね」っていうのが分かるわけなんで。

やっぱり普段から(安全管理を)やっている会社とやっていない会社が「リモート監査」をやると、逆にもっと(違いが)分かりやすくなってくるんじゃないのかなっていう感じがするので。真面目に(安全管理を)やっている会社とやっていない会社がすごく明確に分かるような時代が、3年後5年後に、もし「リモート監査」をトラック事業にも当てはめていくのであれば、(そういう時代に)出来るんじゃないのかなっていう感じがしましたけどね。

今、いずれにしてもこういう悲惨な事故があるっていうのは良くない(と思います)。トラックでも、トラックっていうか「陸運(事業)」で言えば、「軽井沢のバスの事故」が一番悲惨な事故、15名亡くなっているっていう事故なんで、国交省の中では「一番悲惨な事故」だっていう風に言われていますけど、今回(の事故)も行方不明者を入れると26人ですから、近年稀にみる悲惨な事故になっているってことで、国交省自体が相当危機感を持って法律改正やら監査のあり方っていうのは変えてくるのは間違いないので、その辺のところも学んでいけるといいのかな、という風に思います。

今日はそういうことで「知床の遊覧船の事故からトラック事業者として何を学べるか」という話をさせて頂きました。

瀬尾さん、ありがとうございました。

 

瀬尾)

ありがとうございました。

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