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トラマネラジオ

活動レポート

法定12項目 グループ教育のススメ

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 ※この投稿は、トラック・マネジメント協会 公式YouTubeチャンネル「トラマネラジオ」の内容を記事化したものです。

トラマネラジオ第10回 法定12項目 グループ教育のススメ

進 行:運送業専門コンサルタント 和田 康宏(以下、和田)

ゲスト:株式会社第一名誠 代表取締役 瀬尾 国大(以下、瀬尾)

 

和田)

第10回。これは「教育」の話なんですけども。

運送会社、中でも中小運送会社で一番教育を行う上で悩んでいるのが、実は「一気にドライバーを集められない」、そういう現状じゃないかなという風に思います。

 

実際、最近関東運輸局の方ではですね、『教育記録の不実記載』っていう、こういう法令違反を指摘するケースがやっぱり増えてきてるんですね。『(教育記録の)不実記載』っていうのは『教育記録のウソ』ですね。“(教育を)やっていない”のに“(教育を)やっていた事にした”っていう書類を作って、監査で指摘されて行政処分を受ける、という話なんですけど。

 

これは、特に中小企業さんとかね、色んな荷主さんがあって、「必ずしも土日休みじゃない」だとか、「夜中走る人」もいれば「朝走る人」もいる、みたいな状況になってくると、「なかなか“(ドライバーを一気に)集めて教育をやろう”という話ができない」と。かと言って、「一人一人教育する時間もなかなかない」っていう話で、じゃあ「(教育を)やったことにしちゃおうか」と。そういう“甘い誘惑”に駆られて、「教育記録簿の出席者の欄に全員の名前を書いておけ」という事で書いたんだけども、監査が入った時にその出席しているドライバーが、運転日報がその時あって(確認すると)、(その日時はトラックで)走っていた、と。「これはドライバーはここで出席していませんよね?」っていう事で『(教育記録の)不実記載』という罪を指摘されることが、多分多いと思うんですね。

 

たかだか“ちょっとした出来心”で(教育記録の改ざんを)やるんですけど、「教育をやれていないだけ」だったら「10日車」といって「10日間車両が停まる」っていう行政処分で済むんですけども、「たった一人でもウソの人を、出席していない人を教育記録の出席簿に書いてしまう」事で、「60日車両停止」ということで、“6倍”(行政処分が)重いんですね。

これは色々ありますよ、ここまでうるさく国交省が見てきた背景っていうのは。

今、「あおり運転」とか「ながら運転」とか、そういった“プロのドライバーとしてやると大変危険な事故を起こす可能性があるもの(運転)”っていうのが増えてきたんですけども、それをやっぱり防ぐためには、とりもなおさず、まずは「“教育”を実際にしっかりやってもらわないといけないだろう」と、そういう多分意図があるんだと思うんですよね。

だから、今までだったら、「(運送事業者が)作った教育記録が(それなりの)体(てい)をなしていれば、あまり細いところまで見ないでおこう」っていう話だったのが、恐らく「ながら運転」とか「あおり運転」とかそういった事を防ぐために、「飲酒運転」もそうですね?この間八街(市)でもあったような、ああいった事(事故)を防ぐためには、「教育をしっかりやってもらおう」と、そういう(国交省の)意図がここには見えるんですけども。

 

ここで瀬尾さんに聞きたいんですけども、中小企業の運送会社さんとして。どうですかね?「ドライバーさんの教育」。なかなか(ドライバーさんを)集めるのが難しい、と思うんですけども。どうですか?実際(ドライバーさんを)集められるようになったのは最近なのか、それとも昔から出来ていたのか、その辺をお伺いしたいんですけどね。

 

瀬尾)

(ドライバーを)集められるようになったのは、最近ですね。

 

和田)

なるほど。

 

瀬尾)

どうしても数年前までは、労働時間の問題で、ただでさえ(労働)時間が長い中、そこから「教育」っていう所に時間を取ることは非常に難しかったですね。後は(帰社の)時間差。(ドライバーが)帰ってくる時間帯がもうバラバラでしたから・・

 

和田)

そうですね。

 

瀬尾)

(ドライバーを)集めて教育をするっていうのは難しい状況でした。

 

和田)

う~ん、ほとんどそうですよね。同じ時間に帰ってくるドライバーさんが、例えば40人の会社で5人ぐらいはいるかもしれないけど、10人はまずいないっていうのが中小の運送会社さんだと思うんで。これがやっぱり“教育の難しさ”なのかなっていう感じがしますけどね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

やっぱり(労働)時間を短くしたら出席率も高まって、ほぼほぼ(教育が)出来るような形になってきたって感じですか?

 

 

瀬尾)

そうですね。(労働)時間を短くしたら帰ってくる時間っていうのが大体決まった時間になるので。何グループかに分けることによって、それ(ドライバーを集めて教育すること)が可能となりました。

 

和田)

なるほど。やっぱり(労働)時間を短くするっていうのは、色んな意味で余裕が生まれて、こういう安全教育とかも出来るっていう“副産物”とかが色々出てくるんだなっていうのは、お話を聞いていて思いますけども。

実際どうですか?(教育が)やれるようになったのは何年くらいですか?ここ・・

 

瀬尾)

ここ2~3年ですね。

 

和田)

2~3年ぐらいですか。(ドライバーさんを集めて教育が)やれるようになって、出席は出来るようになりましたよね?大体。

 

瀬尾)

ええ。

 

和田)

どうですか?やってみて、何かそれでも物足りなさを感じるんじゃないかと思うんですよ。“出席だけすればいい”っていう話じゃないので、経営者側から見るとそういう風に思うんですけど、どうですか?どういう課題が見えてきた?

 

瀬尾)

頻繁にやれるようになった時に、段々やる“ネタ”に困って来てですね・・

 

和田)

(笑)

 

瀬尾)

「教育内容がマンネリ化してきた」っていうのが、非常に大きな問題でした。

 

和田)

資料は国交省が出している12項目の資料を見ながらっていう感じ・・・

 

瀬尾)

はい。そうですね。12項目は12項目で、それ以外で・・

 

和田)

それ以外で。

 

瀬尾)

どうしても「ドライブレコーダーの映像を元に」とか(苦笑)・・

 

 

和田)

(笑)

 

瀬尾)

こういう事ばっかりになってしまったっていう(苦笑)・・

 

和田)

ワンパターンになってしまったと(笑)

 

瀬尾)

ワンパターンに(笑)

 

和田)

管理者の方も別に学校の先生じゃないから、教育する事だけ頭の中でいつも考えて仕事をしてる訳ではないですからね。

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

なかなか難易度が高いですよね。

 

瀬尾)

後は、「直近に起きた事故、商品事故をみんなで共有する」っていう、もう毎回そのパターンですよね。

 

和田)

なるほど。どうですか?その後何か今、クリアする方法っていうのは見つかったんですか?その問題点を。

 

瀬尾)

(問題点を)クリアする、というよりも、このトラマネ(会議)で同業他社さんの経営者の方、管理者の方とお話しすることが出来て、当然「どうやってますか?」「何をやっていますか?」っていう風に・・

 

和田)

(笑)聞いていましたね、そういえば。

 

瀬尾)

ええ。そこで、「ああ、そうか」と。「そこはまだウチに足りていなかったな」とか、「その教育いいな、面白いな」っていうのを(自社に)取り入れて、少し(悩みは)解消されましたね。

 

和田)

その“面白い”っていうは具体的にどういうのがありましたか?「この取り組みは面白かったな」っていう所ですけど。

 

瀬尾)

それ(を聞いてから)からウチもやり始めたんですけど、グループごとに目標を立てて、グループにリーダー・班長を中心に自分達で決めさせて、そこ(目標)に向かって取り組む、という、「グループごとに目標を変えた」っていうことですかね。

 

和田)

うんうん。同じ目標じゃなくて、自分達で出していくっていう形ですかね。

 

瀬尾)

ええ。当然同じ会社ですけど、乗っている車両が違ったり、扱う荷物が違ったりすると、「統一の目標」だとどうしてもまたこれが・・・

 

和田)

ワンパターンな形になっていっちゃうっていう・・・

 

瀬尾)

はい。そうですそうです。ええ。

 

和田)

ドライバーさんも自分のやってる仕事と関わってこれば、もうちょっと意識が向くっていうか、そういうことですかね?

 

瀬尾)

ええ、そうですね。

 

和田)

今は「グループ別でそれぞれ独自の目標を立ててやっている」っていう形、ですかね?

 

瀬尾)

ええ。

 

和田)

なるほどなるほど。後はどうですかね?目に見えて分からないのが「安全教育」なんで、ちょっとこの質問は難しいのかもしれないですけど。

それこそ、数年以上前にはあんまり出来なかった「教育」が最近出来るようになって、何か変化っていうんですかね、会社に対してか、ドライバー自身なのか分からないですけど、少しは何かあるんでしょうかね?

 

瀬尾)

そうですね。以前はなかなか(一度にドライバーが)集まれないんで、土曜日とかを利用して、何か月間かに1回(ドライバー)全員を集めて(教育を)やっていたんですけど、逆に今は(コロナ禍で全員を一度に)集められなくなって、少人数・グループごとに開催することによってですね、普段あんまり口数の少ない子とかの意見が一人ずつ聞くことが出来たっていうのが、非常に大きい所でしたね。

 

和田)

逆にこの“コロナ社会”によって、(ドライバーを)全員集められないけど、小分けで5~6人ぐらいずつ集めたことによって、「おとなし目」というか「遠慮していた方」とかがしゃべってくれて、その人の思っている事・考えている事とかキャラクターとか、色々分かるようになってきたっていう、そういう話ですか?

 

瀬尾)

そうですね。(ドライバー)一人一人と会話をしながら教育時間を持てたっていうのが(良かったです)。全員集める時って、どうしても一方的になってしまうんで・・

 

和田)

そうですね。

 

瀬尾)

限られた人ぐらいしか発言ができないんで・・

 

和田)

先輩とかよくしゃべる人がしゃべって、後はみんな黙るっていう形でね・・

 

瀬尾)

ええ。

 

和田)

よくある光景ですけどね(笑)

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

それとは違うもの(光景)が見えた、という。まさにこういう感染社会で少ししか(ドライバーさんを)集められないっていうのが功を奏したっていうか、そういう形・・?

 

 

瀬尾)

そうですね。そこは逆に良かったところですね。

 

和田)

だから今、教育で感染社会予防のためにこれから“オンライン化”が結構進んでいくとは思いますけど、やはりそこの(教育の)問題は残るっていう事なんでしょうかね?

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

やっぱり(ドライバーに直接)接触していって、一人一人の考えていることを少し教育の場で聞いていくことによって、「こういう風に考えているんだ」っていうのが経営者・管理者も把握していくっていう所が大事なんでしょうね、おそらくね。

 

瀬尾)

はい。そういう場がなかったら多分そういった意見が聞けなかっただろうなっていう事を(ドライバーが)話してくれるんで。

 

和田)

そうですね。前回のYouTubeでも瀬尾さんが話をしてくれましたけど、なかなか今の若い子は、“しゃべらない”のかも、“おとなしい人”が多いのかもしれないですね。

 

瀬尾)

そうですね、はい。

 

和田)

40代とか50代の人が声がデカくて、「しゃべりたいならしゃべらしとけばいいか、俺たちは黙っておくか」っていう風に30人くらいで(教育を)やっちゃうとそうなっちゃうのが、5人ぐらいだったらそういう人達もボソボソなのか分からないですけど、しゃべってきて・・

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

やっぱりしゃべれば本人も「教育に参加してるな」っていう感じになるでしょうしね。

 

瀬尾)

そうですね。そこはホントに「安全への意識」が変わって、すごく結果にも繋がっていると思いますし。

 

和田)

社長も(教育の場に)出られるんですか?たまに出られるんですか?

 

瀬尾)

出てます。

 

和田)

大丈夫ですか?瀬尾さんの所は大丈夫だと思いますが、たまに社長が来ると(社員が)“貝のようになる“会社も多いですけど(笑)

 

瀬尾)

ウチはそういうのはなくてですね・・

 

和田)

それは割合フラットな感じでいけてるのかな?

 

瀬尾)

良いのか悪いのか、多分みんなあまり(私に対して)“社長”っていう感覚でいない気がします(笑)

 

和田)

(笑)今風でいいですね。

 

 

瀬尾)

(笑)ええ。

 

和田)

なかなかちょっと前(昔のタイプ)の社長さんは、社長が来るとみんな黙ってシーンっとしちゃう事がやっぱり多いので、若い子が固くなっちゃってね、なかなか会社に馴染めないっていうパターンも多いんじゃないかとは思いますけどね。

 

瀬尾)

5人一組を管理者が持ち回って担当して(教育を)やっているんけども、そこに自分も入ってグルグルグルグル回して・・

 

和田)

回すんですね?(担当を)固定せずに

 

瀬尾)

はい。そうですね。

 

和田)

そうすると、その5人で発言していれば、徐々にいろんな性格も分かってくるしっていう、運行管理に役立つっていう形ですかね?

 

瀬尾)

そうですね。

 

和田)

社長に(意見を)聞いてもらえるのは、ある種それは幸せなことですよね?中小企業なんかでもね、社長に自分の存在をちゃんと理解してもらって、それこそちょっと褒めてもらえれば、最高に人間としては嬉しいのかなっていう感じはするんで。いいやり方だなって、今お聞きして思いましたけどね。

 

今後どうですか?教育でさらに「こんなことやれたらいいかな」っていうのがあれば、お聞きしたいなと思うんですけど、何かございますか?

 

瀬尾)

そうですね。ここ2年間なかなかやれていないんで、自分たちで決めた目標、その目標からの達成状況から、やっぱり「グループ表彰」「個人表彰」っていう“盛り上がる競技会”っていうものを早く取り入れたいなっていう風に思っています。

 

和田)

そうですね。たしかにワーっと、別に遊びじゃないですけど、なんかメリハリがあってね、期間を決めて、良かったところには表彰して、届かなかった人は「次は何とかしたいな」っていう風に思わせるような、そういう緊張感があってもいいのかなっていう感じがしますよね、たしかにね。

 

瀬尾)

はい。

 

和田)

なるほどなるほど。分かりました。今日は「中小の運送会社さんでなかなかドライバーさんを一度に集めることが出来ない」っていう悩みが色々あったんで、その辺を瀬尾さんの会社でどういう事をやられているのかっていう話をお聞きしました。

 

瀬尾さんありがとうございました。

 

瀬尾)

ありがとうございました。

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